北海道旅行記2007  
5日目 ウトロ〜知床五湖〜羅臼〜ドドワラ〜養老牛
2007.9〜10


車の外気温計は6℃ 5日目。

寒い。
特に肩口が寒い。
まだ辺りは暗い。
うっすらと夜が白み始めたぐらいで、満月に近い月は煌々と輝いている。
窓はすっかり曇り、水滴は今にも流れ落ちそうだった。
時間はまだ5時前。
まだまだ眠い。
何とか寝ようとするが、寒すぎて眠りにつけない。
ジャンバーを着込みエンジンを回して暖房をつけてやっと落ち着く。

途中でエンジンを止めたのは覚えているが、改めて起きたのは7時を過ぎ、周りはすっかり朝だった。
周りには私と同様に夜明かしをしていた車が20台くらいはいたのだが、すでに半分はその姿が無い。
外に出て伸びをする。
相変わらず雲の流れは早いが予報とは違い雨の様子は無い。
顔を洗いトイレに寄る。
少しさっぱりしたところで改めて周りを見回した。
と、昨日風呂で話していた人の車があるのに気がつく。
同じ所で野営したようだ。
車の中を寝台モードから運転モードへ整理し、朝食を買いにコンビニへ行く。
そこで風呂の人とまた会う。
挨拶をして、食事をするために再び道の駅へ。

やはりそこにも先程の方が。
どうやら考えることは一緒らしい。
これだけ同じ行動をしていれば声をかけないわけにはいかない。
相手が車好きであったり私が昨日通った道を稚内まで行くというので、なんだかんだといろいろ話し込んでしまう。
おかげで少しは早起きしたというのに、道の駅を出たのは9時をすっかり回っていた。

知床連山? まず向かうのは知床五湖。
天気が悪いなら避けようと思っていたのだが、この天気なら昼頃まではもちそうだ。
しかし知床五湖の駐車場に着いた時には既に駐車待ちの列が出来始めていた。
平日だというのに……
結局駐車場に車を止めたのは10時。
15分ほど待ったことになる。

鈴はここに 知床五湖の駐車場はすでにかなり賑わっていた。
五湖巡りの為に念のため熊避け鈴を借りることにする。
この鈴、借りられることはトイレに書いてあったのだが、実際に借りる売店にはそういった掲示は見当たらない。
お土産の鈴の売れ行きに係わるからであろうか?
売店の人に名前と1500円の保証金を預け、代わりに鈴を受け取った。
ベルトを通す穴に引っ掛けていざ出発。

知床五湖の散策は1時間半ほどかかるらしい。
以前来た時は熊の影響で2湖までしか入る事ができなかったが、今日は全ての湖を巡ることが出来るようだ。
薄日が差し少し早足では汗をかくぐらいの気温。
天気も崩れそうで崩れない。
四湖 一湖 一湖、二湖とここまではかなり人が多い。
観光バスで来る団体の多くはここで引き返す。
そこから先は一気に人が減る。
森は深くなり、前後の人も見えなくなったりする時もある。
あまりに鬱蒼としていて少し気味が悪いくらいだ。
三湖の周りを歩いているときに何やら人が立ち止まっている。
再びFOE(By世界樹)
立ち止まっている人がみている方向をよく見ると……エゾシカがいる。
かなり遠くではあるものの、逃げる様子は全く無く草をはんでいる。
昨日に引き続きの遭遇で、この辺りの鹿の多さを改めて感じる。
さらに最後に現れた五湖ではトンボが卵を産もうとしているのか、お尻の先を水に差しとている。
こんな自然に触れるのは久しぶりかもしれない。
約1時間、かなりハイペースで進んだのか、あっという間に再び駐車場へ戻ってきてしまった。



鈴を返して再び車で移動。
フレペの滝に向かう。
この滝へはネイチャーセンターから歩いて20分くらい。
海に落ち込む断崖の途中から水が染み出し、それが滝となって海に落ちてゆく。
別名は「乙女の涙」というのだが、その名とは掛け離れたような迫力の断崖である。
風は昨日ほど強くの無いのだが、海は白波を表し荒れ気味である。
海が荒れていなければ知床を船上から眺める観光船に乗ろうと思っていたのだが、これでは欠航である。
すっかり朝からのんびりになった旅は、やっと峠を越えていくところまで来た。
フレペからオホーツクを望む
知床峠を越える頃には空は厚い雲に覆われ、いつ雨が降り出してもおかしくない様子であった。
さすがに知床峠は寒かったので、早々に車に戻り羅臼の街を目指す。
この知床峠はウトロ側は高速ワインディングであり、羅臼側は様子を一変させた連続ヘアピンカーブとなる。
パラパラと雨が舞い始めたのもあり、スピードは抑え気味に羅臼へ向かう。
羅臼の町もやはりあまり天候が良くない。
かなりお腹も減ってはいたが、少しだけ寄り道をする。
羅臼の町外れにマッカウス洞窟というところがある。
洞窟とはいっても、大きな岩の下に隙間が開いているようなもので中に入れる訳ではない。
ただここには珍しいヒカリゴケがはえている。
光とはその名の通り、暗闇でほんのりと光を放つ苔である。
角度によっては光っているように見えなかったりするのがまた不思議でもある。
ほんの10分もいなかったのだが十分に満足した。
次に満足させなくてはいけないのは、腹の虫。
トド料理
既に時間は14時を回っており、先程からなかなか賑やかな音を奏でている。 目の前は国後島
この先もあまり期待できないので羅臼の道の駅で昼食にする。
ここには珍しい海馬の肉を出す店があるらしい。
早速その店に入り、海馬の定食を注文する。
出て来た肉は予想よりもずっと食べやすく、匂いもほとんどない。
柔らかいとは言えないが、珍しい料理にしては美味しかった。

お腹も満足したあとは、次の観光地を目指して南へと車をすすめる。
本格的には降ってこないものの、霧雨が降ったり止んだりを繰り返す。
窓の左には国後島が意外にもくっきりと見える。
そんな中をひたすら次の目的地を目指して走って行く。
次に向かったのは野付半島。
両側が海である 立ち枯れの木立
日本最大の砂嘴(さし)である。
海の中に突き出た細長い半島の道路は延々13km。
幅は狭いところでは20mほどしかなく、両側に海が広がる独特の風景が見られる場所だ。
羅臼から1時間半。
ほとんど停まる事なく走り野付半島のネイチャーセンターに到着する。
ここから立ち枯れた木々が寒気さえ感じさせる風景をつくりだしているドドワラへは歩いていくことになる。
空模様はいっそう悪くなり、風も強くなっている。
雨具をザックにいれ、いざ出発。
低木の間の道をドドワラへと歩き出す。

撤退地点よりネイチャーセンターを見る しかし……
歩き出して5分もしないうちに雨が降り出した。
先程までとは違い本格的な雨粒が空から落ちてくる。
取り敢えず雨具を着込み前進する。
雨はじわじわ強くなり雨具を叩く音が響く。
傘をさそうとするが、風はかなり強くこれでは傘が壊れかねない。
ネイチャーセンターを出発して10分。
撤退!
この先雨の止む様子はなく、風邪でもひいたらもともこもない。
じわじわと降りは強くなりネイチャーセンターに入ったときには本格的な雨になっていた。
雨具を脱ぎ、水滴を払う。
センター内のベンチに座り一息いれる。
建物内の暖房が気持ち良い。
それほど外の気温は下がっているらしい。
地元別海のホットミルクを買ってベンチですすり、冷えた身体を温める。
さすがに時間的にも天候的にも観光をする雰囲気ではない。
適度な宿を選んで、今日は休む事にした。
で、気になっていた温泉、養老牛あたりで電話してみることにする。
養老牛の牛ではないとの事
しかし3ヶ所電話した所、何処も満室とのこと。
電話番号のわかる最後の宿に望みをかける。
……意外にもあっさりとOKであった。
宿も決まりあとはそこへ向かうだけだが……
カーナビに目的地を入力すると2時間近くかかると表示された。
予想していたよりかなり遠い。
いまさらキャンセルする訳にもいかないので、あとはひたすら走る。
日が暮れ雨が降りしきる運転には最悪のコンディション。
それでも幹線道路は前の車がいるので運転しやすい。
このあたりでは一番大きな街、中標津でガソリン補給をしスーパーでワインを買う。
後は幹線道路から外れ、温泉までは真っ暗な道を行く。
かなりのスピードで走っているつもりなのだが、あっという間に後ろから来た車に抜かれる。
こちらは焦る必要も無いので抜かれっぱなしになる。

牛乳豆腐の揚げ物?
街から30分ほど走り今日の宿「ホテル養老牛」に到着。
昔ながらの旅館からホテルになったという雰囲気がある宿である。
室内に関しては少し不安に思っていたものの、改装してあり綺麗であった。
温泉は貸し切り家族風呂があるということだったので、到着してすぐに入りにいく。
こちらは新しい割には少し汚れていた感じがありて残念ではあった。
それでもお湯はなかなかで、今日もまた長風呂になった。
部屋に戻るとちょうど食事時間。
食事の準備は他の部屋に用意されているとのことで、別の部屋に移動する。
部屋は旧館の客室の一つで、部屋に余裕があるときはこちらのほうが準備が楽なのだろう。
既にある程度の料理は整えられていたが、揚げ物や温かいものは後から時間を見て出してくれる。
左:天然おしょろこまあんかけ 右:山女の天ぷら
こういう心遣いは嬉しい。
特にこの宿では地元の旬のものを提供するのが特徴らしく、おしょろこまの甘酢あんかけや山女の天麩羅はかなり美味であった。

食事が終わるとあとは部屋でのんびりとする。
明日の天気もあまり良くないらしく、行き先に迷う感じだ。
しかし天気ばかりはどうしようもない。
どこへ行こうか考えつつ、ワインを飲みテレビを見て……5日目の夜は更けていった。





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