北海道旅行記2007  
6日目 養老牛〜走古丹〜納沙布岬〜新酪農展望台〜西春別
2007.9〜10


6日目。
依然として雨は降り続いている。
まずは朝食前に風呂を浴びることにする。
大浴場は造りが古いながらも広く気持ちの良い空間であった。
湯がぬるめであったのもあり、かなりのびのびと入る。
雨のために露天風呂には入れないが、もし晴れていれば脇に流れる川の流れにホッとさせられるに違いない。
ただし男性の露天風呂は側を走る道路から丸見えではあるが(苦笑)

朝から身体を温めたのは今朝が寒いのもあった。
浴衣丹前では風呂上がりはともかく、なかなか耐え難い。
今朝も朝食は別の部屋に用意してある。
その部屋にもしっかりと暖房が効いていた。
朝食は標準的な朝食で、それでもいくつか地元産のものを入れる努力をしているのは好感がもてる。
いつもよりゆったりと朝食を終え部屋に戻る。
しかし今日は出発を焦ることはない。
なにせ天気が悪い。
チェックアウト時間ぎりぎりまで粘って宿を後にした。
走古丹への道 空が広い
特に予定も決めていなかったので、取り敢えずは納沙布岬を目指すことにした。
出発時には雨も強かったのだが、中標津の街を通過した頃には雨は止みつつあった。
大きな牧場の間を車は抜けて行く。
これが晴れていれば快適なドライブルートであろう。
野付半島を対岸に見るような場所で再び海岸沿いの道に合流した。
しかしこのまま根室に向かうのも脳が無い。
ふと地図をみればそこにはまた大きな砂嘴(さし)がある。
しかも地図に寄れば最先端まで車で行けるようだ。
ということで走古丹という場所に向かうことにする。
昨日の野付半島とは違い観光地にはなっていないので、私以外にこの道を走る人はほとんど見られない。
行き止まりなのだから当然といえば当然なのだが。
国道から離れて20分。
先端近くの町に向かう手前で左折すると、あとはもうこの先には漁業倉庫ぐらいしか無い。
そして道がダートになったすぐあとに突然道は途切れた。
走古丹の先端である。
海の向こうに山がそびえる
テトラポットで固められた最先端の先にはすぐ対岸が見えている。
しかし、実際に対岸に行くとなれば車と徒歩で1時間以上はかかる。
本当にすぐそこだが……誰もいない岬の突端でなにやら不思議な気持ちにとらわれる。
帰りに突端に近い町をぐるりと一周した。
本当に小さい町なのだが漁港もしっかりしたものがあり、多くの家は新しかった。

再び国道へ戻り、南下を始める。
このあたりは侵食の最後期なのか、穏やかな丘陵地帯を上り下りしながら進む。
また川があれば流れは緩やかで周辺は湿地帯になっている。
そんな原野の中を国道は進んで行く。
気がつけば海から離れ周りは牧場天国になっていた。
あちこちに寄ったおかげで時間はすっかりお昼を回っている。
どこか食事が出来る場所はないかと地図に目を通す。
少し離れているながら何やら美味しそうな店を見つけ、そこへ行くことに決めた。

大食いにはちと物足りない?
釧路と根室を結ぶ国道に突き当たった所で、とりあえず釧路方向へ進む。
10kmぐらい進んだ辺りで道路の左にログハウス風の建物が見えた。
「ファームデザイン」
これがお店の名前だ。
後で友人に聞いたところ釧路にも支店があるらしくそれなりに有名なお店だったらしい。
お店は牧草地の真ん中に立っているような雰囲気で、大きく取られた窓の外には広大な丘が広がる。
ウッドデッキもあるが今日の天気ではちょっと無理だ。
キャッシャーの下の冷蔵ケースには様々なチーズケーキが並び、何にしようか迷う。
ミルクは心をホッとさせる メインの料理は少し奮発してサーロインステーキプレートにした。
プレートというので少なめな量を考えていたのだが、なかなかのボリュームでお腹はちょうど良い感じになった。
デザートはメープルチーズケーキ。
合わせる飲み物はミルクたっぷりのカフェラテ。
しっかりとした甘さのケーキとやさしい感じのラテがこれまた絶妙な取り合わせだった。

料理と甘いものでかなり満足した私は再び根室方面へと走りだす。
天候は太平洋側のほうが悪いようで、時折海から流れて来た厚い雲に覆われて豪雨になったり、薄日になったりと安定しない。
途中、先ほどの走古丹の反対側「春国岱」という場所にいってみようとしたのだが、大量に発生した虫に絡まれ断念する。
あとはひたすらノサップ岬を目指した。
根室の街を通過し太平洋沿いに東を目指す。
あいかわらず雨は降ったり止んだりで天候の回復は見られない。

納沙布は天候が悪かった
根室から30分。
ついに北海道最東端に到着。
時間が微妙なのか天気のせいなのか観光客はほとんどいない。
いつもは霧が多い場所らしいが今日は比較的視界が良い。
海の真ん中に水晶島の灯台が見え、その先には歯舞諸島がみえている。
雨は止んでいたがさすがにこの天気では有料展望台に昇る気もなく、15分ほどでその場を後にした。
根室に戻る道は先程の太平洋岸の道ではなく、北側の海岸沿いを走る道で戻る。
夕暮れは早め
こちらの道沿いには集落は少なく、ほとんどが牧草地になっている。
侵食のされたなだらかな丘の上をを根室に向かって走る。
家が少しまとまって来たなと思ったらそこが根室の街であった。
この駅では列車にめったに出会えない
根室まで来たのでついでに最東端の駅に行ってみる。
最東端の駅「東根室」は住宅街の中にひっそりとあった。
偶然にもちょうど釧路行きの列車がおり、近くの高校生らしき人が走って乗り込んでいった。
ホームを離れた列車を見送りながらホームへあがる。
最東端の駅の看板はあるものの、駅自体はホームしかない無人駅である。
周りが住宅地なので寂しさは無いが、観光客は訪れそうにない。
ホームをふらふらして再び車に戻った。

さて、このあとの予定だが特に決めていなかった。
何か面白そうな所はないかと地図を眺める。
今夜の寝床も考えなくてはいけない。
迷ったあげく面白そうな名前の「しまふくろう」なる温泉を目指すことにした。
実はかなり遠いのだが、まだ時間もあるし途中で良さそうな場所を見つければそこをキャンプ地としても良い。
明日は天気も回復しそうなので「リベンジトドワラ」を考えてもいるのだが、まぁ多少遠くなっても問題はないだろう。
この空の向こうには何があるのだろう? 今朝走って来た道を戻って行く。
釧路への国道から別れ、再び丘陵地を走り始めた頃、空に変化が起き始めた。
雲が切れ太陽が射し始めたのだ。
高速で通り抜ける国道の途中ではあるが、車を路肩に止めしばらく景色に見入ってしまう。
夕焼けが映える これはいい夕焼けになりそうだ、と直感した私は目的地を牧場のど真ん中の展望台にセットし直す。
「新酪農展望台」という名前の展望台はカーナビには登録がない。
だいたいの位置だけ入力し、それに向かって走り出した。

ここからは時間との勝負になる。
陽はかなり傾いている。辺りは暗くなりつつあり、空が紅く染まって行く。
途中何度か開けた場所で車を止めて数枚写真を撮る。
夕焼け…… たどり着けなかった時のことを考えての行動だ。
とはいえ、何とか陽が沈みそうなぎりぎりの時間で展望台に到着した。
鉄塔と同じような骨組みだけの展望台へ駆け上がる。
下が丸見えなのだが、夕焼けに心を奪われた私には全く気にしていなかった。
おかげで帰りはかなり腰が引けておっかなびっくり降りることになったのだが。

波寄せる雲 陽と雲が織り成す美しい光景を目の当たりにする。
大地と空が紅く染まり現実とは思えない風景がある。
言葉にならない。
ただ大自然が広がる。
太陽が沈んでいく 太陽が雲間に沈みきり、空が暗くなるまで私はそこを離れられなかった。
しばらくたったのち、展望台をゆーっくり降りる。
あとは温泉と食事場所を求めて、宵闇が迫る大地を走るだけだ。
まず最初に現れた比較的大きな街、別海で温泉を捜す。
看板に従って暗い道をいくと大きな公園に入っていく。
さらに進み、キャンプ場の向こうの小高い丘に温泉施設があった。
20時過ぎまでやっているらしく、もう一カ所がダメならここに戻ることにする。
野宿になる場合はこの公園が第一候補になりそうだ。
とりあえず目的地にした「しまふくろう」に向けて走り出す。
道は暗いが交通量はそれなりにあり、不安にならずに済む。
今日の終わりに燃える空
約1時間で目的地のしまふくろうに到着した。
しかし周りには何もない。
しいていえば大きな国道と走って来た国道が交わっているくらい。
辺りにはほとんど光がなく、漆黒の世界に近い。
建物は隣接して2軒あり、片方は焼肉屋らしい。
温泉施設のほうはコンビニのような棚が並び、反対は食堂になっている。
2階は宿泊施設になっているらしく上へ上がる階段がある。
食堂のレジ兼フロントでお金を払いコンビニコーナー奥のお風呂へ行く。
なかなか新しい施設らしく感じが良い。
風呂も比較的広く少々ぬるめのお湯ではあるが、のんびりはいるのにはもってこいの湯である。
しっとりと肌に吸い付く感じのお湯は運転で強張った身体を解してくれる。
露天風呂も広くゆったりと浸かれる。
若干浅めなので肩まで入るのは難しいが、ひんやりとした風に身体を冷ましながら長湯するにはちょうど良い。
じっくりとお湯を堪能できる施設であった。

風呂から上がり休憩場所で休んでいると、従業員の方が声をかけてくる。
実は風呂に入る前に宿泊について聞いていた。
その時は残念ながら満室という話であったので来るまでの宿泊を覚悟していた。
だが、宿の人が予約している人に確認したらしく今日は一部使わない部屋があるらしい。
ここ数日で一気に気温が下がっているので出来れば宿に泊まりたい。
宿の人の好意に感謝しつつ早速荷物を車から部屋へ移動させた。

案内された部屋は驚くほど広かった。
お風呂もついており浴槽は足が延ばせるほど大きい。
(あとで知ったのだが、このユニットバスも温泉らしい)
ベッドも大きく洗面台も広い。
唯一気になる点は廊下のドアが引き戸で音が外から漏れてくることだが、それさえ気にしなければかなり快適な部屋である。

あしゆ??? 部屋に感動しつつ荷物を置くとすぐに食堂へ向かう。
夕食はついていないのだが併設の食堂で食事をすることはできる。
ただしもうすぐ閉店時間らしい。
そんな訳で食事をするならすぐに来て欲しいと宿の方に言われていた。
早速食事を……と思ったのだが、どう考えてもおかしい一画がある。
ここは食堂のはずなんだが……足湯がある。
しかもその場所にもちゃんとテーブルもある。
宿の人に聞いてみると結構TVなんかで放送されていて有名らしい。
メニューを決めてからタオルを取りに部屋に戻った。
食事をしながら足湯……なんとも不思議な気分だ。
足湯に浸かり身体が少し温まってきたくらいに料理が到着。
わかり難いけれどかなり盛ってある 頼んだ料理は「別海の乳をつかったホタテクリームスパゲティー」
ここにも現れた地元「別海の乳」!(笑)
そんなに高くないので、名前にもつられてたのんだのだが……
来た皿を見てびっくり。
デカイ。
もちろん乗っている量もかなりある。
スパゲティーだけではなくキャベツの千切りも山盛りである。
これでも普通盛というから、良心的というか鬼というか……
足湯で身体が温まり食事でさらに汗をかく。
味もかなり私好みであったため、少し時間はかかったものの見事に食べ切った。
部屋に戻れば満腹感と疲れであっというまに夢の中へ。
明日はリベンジトドワラ。
天気は良さそうだが果たしてどうなるか?
それは起きてからのお楽しみである。





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