北海道旅行記2007
7日目 西春別〜トドワラ〜摩周湖〜美幌峠〜釧路
2007.9〜10
7日目。
カーテンの隙間から朝日が零れ落ちている。
カーテンを少しだけ開けて覗き見る。
眩しい光と緑の大地がひろがっている。
清々しい朝である。
目覚ましにひとっ風呂浴びる。
朝はほとんど人もおらず、ほぼ貸し切り状態で風呂に浸かる。
大きな窓から差し込む光が目に眩しい。
露天風呂に移るとさらに朝日が気持ち良く感じる。
ひんやりとした空気がほてった身体を心地よく冷ます。
相変わらず風は強く、雲の流れは早い。
もしかしたら天気は安定しないかもしれない。
たっぷりと朝風呂を楽しみ、朝食をとる。
朝食は標準的なものであった。
部屋に戻ると荷物の整理を始める。
もう使わない寝袋や汚れた服を別の鞄に詰め、必要なものを纏める。
これで少しは荷物が探しやすくなったであろう。
荷物を車に積むと出発である。
出発!と思ったがいきなり寄り道をする。
地図上ではこの泊まった宿の隣に展望台が書かれている。
昨日は夜で何も見えなかったが、確かに建物の向こうに展望台らしきものが見える。
とりあえず寄ってみることにした。
移動は車で30秒。
地図にも載っているこの展望台は「大草原展望台」というらしい。
展望台自体は潰れたお土産屋の裏に立っていた。
周りは廃材が放置され雑草が生い茂っている。
まともな整備はされていないようだが丸太で組み上げられた展望台はまだまだしっかりしており、昇るのには躊躇わなかった。
広大な牧草地の丘が遠くまで延び雄大な北海道らしい風景が続いている。
しばらく風に吹かれて車に戻った。
改めて出発する。
まずの目的地はトドワラである。
広い国道を北へ向かい、3度目の通過になる中標津の街を目指す。
中標津のモダで燃料補給し、数日前に通った道を逆戻りしていく。
途中に温泉ラブホ(?)などを見つけつつオホーツク岸ヘ出た。
しばらく南下し野付半島へ左折。
あとは一本道をひたすら走る。
しばらくして2日ぶりのネイチャーセンターに到着。
それにしては天候が安定しない。
厚い雲が流れてきて、すぐに雨でも降りそうな空模様である。
その一方で少し遠くを見ると太陽がサンサンと輝いている。
念のため傘と雨具を持って出発する。
トドワラまでは歩いて30分ほど。
腰まである草やハマナスの木の間を行く。
遠くに枯れた木が見えてくる。
そこがトドワラである。
トドワラの入口には馬車の折り返しの為に少々広くなっており、その先は木道が湿地帯の上にのびている。
湿地には立ち枯れた木が物悲しさを際立たせる。
しかし以前に来た時とは少し様子が違う。
上空は以前とおなじように雲が厚く垂れ込めて重々しい空気なのだが、湿地帯は少し賑やかなのだ。
そう、以前訪れた時とは違い紫や黄色の花が咲いている。
さらにこの時期ならではのサンゴ草も赤く色づいている。
寒々しい風景の中に少し色が入るだけでこんなにもイメージが変わるとは思わなかった。
木道を歩きながら思う。
木道を歩き始めたころからついにパラパラと雨が舞って来ていた。
それが木道の半ばまでくると少し強くなってきた。
しばらくは傘をさして歩くことになる。
前に来たときは木道でぐるりと一周できた気がしたのだが、今は奥まで行くと行き止まりである。
その先にも木道はあるのだが見事に崩壊しており、とても歩ける状態ではなさそうだ。
いつもより少しだけ温かみのあるトドワラをあとにする。
雨が強くなって来たので帰りはタイミング良く来ていた馬車にのることにした。
500円は少々高いが濡れるよりはずっとましである。
馬車はなかなか早い。
道産子が引く姿は力強く、かなり大きな車を引いているのだがまるで堪える様子はない。
歩いて来た時間のほぼ半分でネイチャーセンターに到着した。
その頃には既に薄日が射しており、空にはうっすら虹がかかっていた。
センター内のベンチに座り、前回と同じホットミルクを飲み少し休む。
天候は微妙であったがそれなりに満足してトドワラを離れる。
さて、次は何処へ行こう。
この辺りの観光地でめぼしい所はほぼ行ってしまった。
少し考えた後、少々遠いが摩周湖の展望台へ向かうことにした。
展望台とは言っても、裏摩周展望台というところがある。
道路状況が心配であったがゆっくり行けば問題はないであろう。
4度中標津の街を通過し、その郊外の喫茶で食事をする。
お腹はそれほど減ってはいなかったが、この先食事が出来そうな街がしばらくない。
食べたカレーはなかなか美味でこれまた満足できた。
腹もくちくなり、あとは裏摩周に向けてひたすら走る。
交通安全週間の土曜日ということで2ヶ所ほど警察が張っていた。
このあともスピードを抑えて安全運転を心掛ける。
ひたすら真っすぐな道が山に向かって進んで行く。
山にぶつかりそうなるとくいっと向きを変える。
なんとも合理的な道路である。
山に行くにしたがって天気はまた悪化してきた。
そのかわりに道路はとても快適でほぼ直線をぐんぐんと登っていく。
トドワラからの距離はあったが裏摩周展望台には比較的楽に到着した。
晴れ間があるものの霧雨が降り一部には虹がかかっている。
天気は悪いものの霧はなく摩周湖は姿を現していた。
唯一摩周岳の頂上だけは雲の中であったが。
霧雨と風でかなり肌寒く、あまりのんびりせずに出発することにする。
次に向かったのは神の子池。
道道からは少し外れ、5分ほど砂利道を行くと広場にでる。
そのすぐ先が神の子池であった。
夏に行った東北の青池と同じように湖面が見事な青色になっている。
ただし見る角度によって、その青さはかなり違った。
残念ながらここでかなり雨が強くなり早々に引き上げざるをえなかった。
時間ももう夕方に近い時間になってきた。
見られてあと1ヶ所といった所か。
次に向かった場所も以前訪れた場所であった。
まずは神の子池から道道を北へ。
釧網線を渡って国道ヘ出る。
ここからは逆に南へ進路をとる。
南に向かうにつれ太陽がちらりと顔を出し始めた。
国道から右折し屈斜路湖畔の道を行く。
このあたりは道路が乾いたところもありかなり前から雨は止んでいたようだ。
じわじわと陽は傾きはじめ、峠への道では光が届かない場所も出始めた。
屈斜路湖から長い登りを登りきり今日最後の観光地に到着した。
美幌峠。
釧路と網走を結ぶ峠である。
車を止め、外に出ると予想より寒い。
特に風が冷たい。
慌ててジャンバーを羽織り展望台を目指す。
釧路側の空は晴れ、眼下には屈斜路湖が水を湛えて広がっている。
北海道の中でも美しい峠の一つである。
残念ながら網走側は雲に覆われて遠くを望む事ができなかった。
夕暮れが近いためにほんのりと紅く染まった景色がひろがる。
遠くに摩周岳が雲の傘を被っているのが見えた。
どうやらあの辺りはまだ天候は回復していないらしい。
景色に見とれていたが、冷たい風がひょうと吹いたのを機会にお土産屋のある建物へ移動した。
建物はすでに暖房が効いていた。
小腹が空いたので「きたあかり」を丸揚げしたものと温かいお茶を買い、2階にあるテーブルで頬張る。
外は網走側から流れて来た霧で一瞬視界が遮られている。
程なくして霧は消えて今度は大きな真ん丸の虹が現れた。
こんなに見事な円い虹をみたのは初めてだった。
残念ながら写真ではうまく写すことはできなかったが。
夕暮れが近づく中、私は美幌を後にした。
夕日の中、峠を下りまた少し寄り道をする。
屈斜路湖畔にある露天風呂「コタン温泉」である。
湖畔にあるこの温泉は無料で誰もが入るだけで事ができる。
小さいながらも更衣室があり水着での入浴もOKらしい。
さすがにこの時間では誰も入っていなかったが。
私も手をお湯に軽く付けただけであった。
太陽が山の影に沈むのを見て湖畔を後にする。
次に立ち寄った硫黄山はすでに駐車場の係員もおらず、暗闇にうっすらと山影が見える程度であった。
あとはひたすら釧路を目指す。
今日の宿は出発前に決めてあった釧路では定宿にしているところである。
途中カーナビに騙され、少々道を間違えたりはしたがなんとか釧路市街へ入ることができた。
ここからが少々ややこしい道となる。
実は釧路の友人に甘いもののおいしい店を聞いていた。
それが大通りから一本入った道にあるらしく、とりあえず市街地の「このあたり」くらいの位置しか聞いていなかった。
住所を入力してカーナビ頼りでの運転になった。
そこに近づくとあとは自分の目で探すしかない。
しかし意外に簡単に目的のケーキ屋は見つかった。
疲れているのか甘いものが欲しくなる。
小さいのを2つ買い、あとは宿に向かう。
宿は釧路の駅前にある。
市内の車の流れは順調でケーキ屋から15分ほどで到着した。
時間は20時近く。
荷物を部屋に入れ一息ついた。
さすがに運転していた時間が長かったので疲れた。
この辺りでも食事はできそうだが、友人から紹介された店にいってみる。
車で少し走った所で店自体を見つけることはできたのだが、残念ながらすでに閉まっていた。
しばらくその周辺のお店を探してみるが、さすがに20時を回るとどこのお店も終わっている。
結局見つけたモスバーガーに入り夕食となった。
宿に戻りワインとケーキを食べながら夜を過ごす。
じわじわと旅の疲れがたまってきたのだろうか。
ワインを飲んでいる途中で眠さに堪えられずにベットに倒れ込む。
気がついた時には、すでに夜は明けていた。