北海道旅行記2008  
8日目 西春別〜標津〜霧多布〜釧路
2008.9


やっぱり別海 何となく目が覚めた。
旅の間は早めに目が覚めることが多い。
慣れない場所だからなのか、気分が高揚しているからなのか……
ほんの少し隙間から明かりが差し込んでいる。
携帯で時間を確認すると6時半であった。
朝食の時間まではまだすこしある。
寝ぼけたまま朝風呂に向かうことにした。
流石にこの時間は宿泊客のみの時間なので誰も入っていなかった。
残念ながら今日もすっきりしない天気である。
露天風呂に浸かりながら今日の予定を考える。
この辺りは今まで何度か訪れており、それなりの観光地には行っている。
となれば、今まで行った事の無い場所がいいのだが、それもまた難しい。
考えているうちに結構よい時間が過ぎていた。
部屋に戻り地図を眺めながら大体の予定を練り上げた。
朝食は今までの宿に比べるとかなり寂しいが、宿泊料金から考えればそんなところだろうといった和食ものだ。
部屋に戻り荷物をまとめ直す。
旅は今日を入れてあと2日。
使わないものを送付用のザックに詰め込む。
大体の準備ができたところで出発した。



ここにもディーゼルカー まず向かうのは宿からそれほど遠くない場所。
場所は西春別にある鉄道資料館。
元は標津線が通っていた場所である。
小さな館内は綺麗でよく手入れがされている。
弟子屈、今の摩周駅から延びていた標津線の資料がなかなか大量に展示してある。
展示も綺麗に整備されているようでなかなか気持ちの良い資料館だ。
資料は綺麗
外には廃車になった機関車とディーゼルカー1両と周辺の駅の駅名板がいくつか並んでいる。
駅名板は廃線後に移設した本物のようだ。
こうして各地をまわるといかに廃線の資料館が多いかよくわかる。
それだけ昔は鉄道があることが誇りだったのだろうか。
とくにこの駅は綺麗で気持ちの良いところだった。

次に向かったのは開陽台という展望台だ。
天気は悪いが他に行くところが思い付かなかった。
幸い雲も高いので行ってみれば遠くまで見えるかもしれない。
雨が…… ところが向かう間にじわじわと雲が厚くなって来た。
到着した時には風も強く一雨ありそうな感じである。
せっかく来たのだから展望台には上がって行く。
かなり風が強く吹き、風を少しでも避けたくなるぐらいである。
寒さを我慢しつつ目の前に広がる大地を眺めているとぽつりぽつりと何かが顔に触れる。
もう少しゆっくり見ていたかったが早々に車へと戻らざるを得なくなった。

何となく行く場所も見当たらないまま南下させることにする。
あわよくば、別海名物のこめちちを手に入れるためである。
すでに昨日の宿で買ったこめちちは飲んでしまい、できれば実家にネタ土産として持って行きたい。
ドドワラに売っていることは間違いないのだが、そこは昨年2度も訪れた場所である。
しかも今日は雨模様だ。


チョウザメ
信号待ちで行き先を調べていると、気になる場所を見つけた。
標津サーモンパーク。
秋は鮭の季節でもあり、なんだかおいしそうなので立ち寄ってみることにした。
着いてみるとしっかりとした学術研究をしている博物館、いや水族館のようだ。
屋外にはチョウザメやイトウが飼育されているプールがあり、その向こうには研究施設のような建物も建っている。
入館料もそれほど高くないので見ていくことにした。
鮭に特化した水族館というのもめずらしい。
大水槽の前ではちょうど解説が行われていた。
さけの仲間だらけ< ついでなので聞いていく。
以外にも鮭の仲間はたくさんいるらしい。
虹鱒や山女も鮭の仲間とは知らなかった。
確かに言われれば似ている気もしないでもない。
館内を進むと川から引いた魚道の見える場所に着く。
この魚道の先は捕獲施設に続いており、人工孵化のための施設がある。
何匹かの魚がいたが、この先を思うと少しせつなくなる。
その先には階段状に作られた水槽が並び、餌を買って魚に与えることができるような施設になっていた。
そのまま2階へと昇ると資料展示室である。
地球儀を模した地図で鮭の回遊がアラスカからアメリカ辺りまで続いているのを見ると、改めて長い旅をしているのだと感じる。
ふらふらと展示物を眺めて最後に展望台へと登る。
天気がよければ素晴らしいだろう
登ってみると、なかなか高い。
近くを流れる標津川を見下ろし、その先には海が広がる。
先程よりかなり天気は回復しているようだ。
時折薄日が指している。
予想より時間がかかって博物館を出た。
念のためあるかな?と思いながら土産屋を覗くが、やはり別海のこめちちは無かった。
ここは標津町なのでそれも仕方ない。
先に進む事にする。


晴れた!
出発してすぐに海沿いに出る。
ここは太平洋の一部になるのだが、野付半島などがあるせいか海は穏やかである。
そのまま南下をしていくとすぐに別海町に入った。
そのあたりから本格的に太陽が顔を出す。
午前中とはえらい違いである。
しばらく走ると海沿いに駐車場と小さな展望台兼店がある。
トイレに寄るついでに立ち寄った。
北方領土を望むこの地はいまでも返還を望むスローガンが大きくかかれている。
展望台内にも説明書が見られる。
独特の河
下にある売店に立ち寄ると目的のものがあった。
こめちち4本と割けるチーズを買って出発する。

走古丹への入口を通過すると辺りに湿地が広がり始める。
その間を悠々と川が流れるなんとも北海道らしい景色になった。
比較的大きな川の河口で車を止めてしばらくはその景色を眺めていた。
素晴らしいな、と思って見ているのだが身体のほうはもう少し「現実的な素晴らしさ」を要求してきた。
確かにすでにお昼を回ってしばらく経っている。
お腹を満たすために次へ向かうことにした。
ここへ来たならぜひとも食べたい場所がある。
釧路と根室を結ぶ国道44号線に入りしばらく釧路方向へ。
日が傾いてきた
地元の車に追い抜かれながら着いた場所は『ファームデザインズ』というお店である。
ここも昨年来た場所ではあるが、何度来てもよい場所だと思う。
ファームデザインズは簡単に言えば素材にこだわったレストランである。
その素材が牛のミルクと肉だ。
途中の適当なお店に入っても良かったのだが、折角なら美味しいものが食べたい。
それに今日は肉の気分でもある。
サーロインの少し大きめのものを頼んでしばし待つ。
肉!!!
14時をかなり過ぎていたのであまり食事をする人は多く無かった。
しばらくして待望の肉が現れる。
アメリカンな感じの大きさの肉をご飯と共にお腹 におさめていく。
サーロインなのでヒレほどの柔らかさはないが、充分に食べやすい。
ケーキも素晴らしい おかげてそう時間はかからずに料理は消えていった。
まだ少し入りそうだ。
もう一度メニューを確認してケーキセットを頼むことにした。
入るときに見えたレジ下の冷蔵ケースがどうしても気になっていたのだ。
チーズケーキとカフェオレを今度はゆっくりといただく。
甘さ控え目なチーズケーキとミルクがやさしい時間を演出してくれる。
肉を食べているときとは大違いの、ステキな時間の過ごし方である。


晴れてはいるが雲も多い
すっかり落ち着いてしまったため、時間は夕方に近づいている。
このあとは釧路に向かうのだが、もう少し寄り道していきたいところだ。
国道を外れ太平洋側を走る道に出る。
まず向かったのは霧で有名な霧多布岬である。
湾の向こうに霧多布
本当は寄るつもりはなかったのだが、海岸沿いを走っている時に島のように見えた場所を目指したらそこが霧多布だった。
かなり日も傾き観光できる時間は少ない。
そんな時間なので当然駐車場もガラガラである。
もう夕日 夕日に照らされた太平洋は白波がほんのり紅く染まっていた。
15分ほどで霧多布をあとにする。
と、どこからかお囃子が聞こえてくる。
しばらく走り霧多布の町の中に入ると、船を模ったような大きな山車が見えた。
すでに焼けている気がする 今日はお祭りらしい。
ゆっくりと見ている時間は無く横目で見ながら霧多布をあとにした。

霧多布を出てからも国道には戻らず、海岸沿いの道を行く。
岩山と湿地帯の間でアップダウンを繰り返しながら道は集落を結んでいた。
琵琶瀬展望台
途中の琵琶瀬展望台で夕日の湿原に心を打たれる。
この展望台から見る湿原は何で見ても感動する。
とても好きな場所である。
さらに車を進め厚岸へと向かった。
厚岸は牡蠣で有名な街である。
本来の考えであれば、ここで旬の牡蠣を食べるつもりであったのだが、すでに17時であり、主な所は営業が終わっていた。。

厚岸には一つ寄るところがある。
記憶を頼りに国道沿いのお寺に入る。
ここに同い年だった友人が眠っている。
夕日の中を進む 時間も遅いが、こんな機会でもなければ来られないので立ち寄った。
花もなにも持たずに来てしまったことを友人に謝る。
外に出ると夕焼けが真っ盛りであった。
あとは暗くなっていく国道をひたすらに西へ進む。

釧路までの道は順調に流れ、郊外のショッピングセンター街へと入ってきた。
この辺りで左に曲がる。
確かこの辺りだったはずと昨年立ち寄ったケーキ屋を目指す。
意外にも記憶は正確で、迷わずに店に到着する。
2つばかり小さなケーキを選んで今日の宿に向かった。
今夜の宿もいつもの駅前のホテルである。
これも慣れたものですんなりと到着した。
ただしここからが大変で、今日は全ての荷物を部屋に持ち込む必要があるのだ。
さすがに一度では持てず、チェックインを済ませた後に車と部屋を2往復するはめになった。
ベッドに荷物をばらしながら釧路の友人に連絡を取る。
すぐに返事があり、待ち合わせの時間が決まった。
その間も荷物をまとめ直し続ける。
30分程で友人からホテルの前に着いたと連絡が入った。

生でも食べられるくらい 早速下におりて友人と1年ぶりの再開を果たす。
友人の娘さんとも1年ぶりなのだが、さすがに去年会った事は覚えていないようだ。
あまり店もないとのことだったので、定番だがフィッシャーマンズワーフの屋台に行くことにした。
友人の車で3分ほどで到着。
外に出るとかなりの強風が吹くようになっていた。
魚を入れる発泡スチロールが飛んでいく。
外にいるとかなり寒く、早々に屋台のあるテントの中に入った。
まずは食券を買う。
その食券で各店から品物を買う方式である。
炭火を焚いた囲炉裏の席が用意され、早速各店を覗く。
だいたい同じものが用意されているが、数品はその店オリジナルなものがある。
それを見比べながら焼くものを選ぶ。
とりあえずは今日食べそこねた牡蠣を2つばかり。
いろいろ食べた 1つ150円は地元にしてみれば高いらしいが、生でも食べられそうな新鮮さのあるものは滅多に食べられない。
その他飲み物やじゃがバター、串もの、サケハラスなどを席に持ち帰り焼いた。
焼いていると各囲炉裏を回っている従業員が来て、焼き具合を確認していく。
牡蠣に関しては早すぎると思えるくらいの時間で殻をナイフで開けていった。
大丈夫かと尋ねると、生でも食べられるようなものばかりだから大丈夫という。
それを信じて醤油を垂らししばらく煮て火から外した。
熱された殻に触らないように殻から身を外して皿に載せてかえる。
さすがに殻に触れたら火傷するだろう。
友人も子供と共にとうもろこしや焼きおにぎりなどを食べている。
1年ぶりの再会に話も弾み、子供もだんだんと打ち解けてくれて少しホッとする。
少し盛り上がり過ぎて、22時近くになってしまう。
いつもなら子供は寝ている時間で少々可哀相なことをしてしまった。
ホテルの前で再開を誓って別れる。
次は会えるのはいつになるだろうか。

ホテルの部屋に戻るとデザートの時間である。
このケーキは少し甘いので、ブラックのコーヒーを買っておいた。
この甘さが疲れた身体に効く。
しかし食べ終えると疲れが出たのか、ベッドに倒れ込みそのまま寝てしまった。
何も片付けは進まず、北海道最後の夜は更けていった。


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