北海道旅行記2008秋
9日目 釧路〜釧路湿原〜東京
2008.9

ついに最終日。
長かった北海道旅行も終わりとなる。
最終日は寝坊気味。
起きたのは7時を軽くまわっていた。
昨日あれだけ早く寝たというのに……やはり疲れが出ているのかもしれない。
カーテン窓を開けるとなかなかよい天気である。
まずは朝食に向かう。
ここを定宿にしているのはこの朝食があるからといって間違いない。
ここはかなりの種類の焼きたてパンが食べられることで有名なホテルなのである。
早速焼きたてのパンとサラダを山盛りにして食べ始める。
もちろんパンでは無くご飯やみそ汁も用意されている。
基本的にはパンがメインなのだろうが、和食派の人への配慮もしているようだ。
目の前の料理はあっという間に消え、お代わりを取りに行くのはお約束である。
それも軽く食べ終えてやっと朝食を終えた。
1時間弱が過ぎている。
今度は部屋に戻って荷物の整理が始まる。
さすがにこれだけ大荷物を持って帰るのは厳しい。
行きと同じようにザックに詰め込めるだけ荷物を詰めて自宅へ送るのである。
まとまった所でチェックアウトをする。
送る荷物はフロントに預け、残る荷物を持って車に乗り込んだ。
今日はあまり遠くへ行くわけには行かない。
飛行機は早めの時間で予約してある。
天気は良い。
となれば、やはり釧路湿原に決まりであろう。
定番の場所から訪れることにする。
釧路市内から少し走っただけで湿原は現れる。
それを横目で見ながら国道を摩周方面へ。
釧路と摩周やオホーツク側を結ぶ道の交通量は多い。
ペースを合わせつつ目的の場所に向かった。
山を一つ越え、下りたところで左に曲がる。
右手に湖が見え、踏切を渡ると細岡駅である。
駅はあるが、周りに人の住んでいる場所はない。
利用者はどのあたりにいるのだろうか。
細岡を過ぎると右手には釧路川が寄り添い、道は狭くなる。
対向車に注意しながらさらに進むと再び踏切を渡り、一気に登る。
左手に比較的大きな駐車場が見え、ここに車を止めた。
あとは歩いて登る。

少し登ったところにビジターセンターがあり、さらに登ると右手に展望台への入口が見えてくる。
実際はここまで車で来ることも出来るのだが、車を止める駐車場がない。
無理に止めたとしても4、5台程度だろうか。
足の悪い人がいない限り駐車場に止めるべきかと思う。
車道から少し歩くと木々が突然開け、眼下に湿原が広がった。
ここが有名な細岡展望台である。
湿原の東の端に位置し、高い位置から簡単に雄大な湿原を望むことができる展望台だ。

同様の展望台は東側にもあるが、西側はここが圧倒的な知名度である。
平日ではあるが、代わる代わる観光客が訪れる。
15分ほど景色を楽しんでその場を後にした。
今日は湿原を一周して帰ろうと思う。
次に向かったのは、塘路湖である。
塘路湖は釧路川へ流れ出す湖の一つで、カヌーの出発地としても機能している。
今回は残念ながら諦めたカヌー体験の相場を確認していく。
金額よりも結構な時間がかかることに驚いた。
だいたいカヌーで川を下る場合は3時間程度が普通らしい。
出発も朝なら7、8時で、それ以降は午後になる。
中には早朝5時半とかいうコースもあるようだ。
天気との兼ね合いも考えると、これ一本に絞って計画を立てないと難しいのかもしれない。
今日さえも晴れているとはいえ風が強く、かなり雲が多い。
次回は本気で考えておこう。

湿原を回るためには国道から道を逸れる必要がある。
塘路から少し北に進み、左に折れた。
この道の舗装はすぐ途切れ、あとはひらすら砂利道である。
それもそのはず。
この道は湿原の中を突っ切るように作られている林道なのだ。
道としてはしっかり作られているが、走った後の砂埃は視界20mほどしかない。
幸い風が強めであるので車間距離を適度にとれば問題はない。
所々、川が道のすぐ側を通っている。
湿原の川は独特の風景を生み出していて、なんとも惹かれる景色である。
そのたびに何度か車を止め、カメラを構えた。
砂利道を走っていくと左に立派なトイレが現れ、道が少し広くなっている。
トイレの後ろにはかなり急な階段が昇っているのが見える。
どうやらここも展望台への道らしい。

そこに展望台があるなら登ってみるのがお約束であろう。
見上げるようにまっすぐと伸びる階段をゆっくりと踏んでゆく。
一気に高さをます階段はなかなか手強い。
中程で息が上がり始める。
階段を登りきるとハイキングコースのように道が林に消えている。
一本道だが、あちこちに分け入れそうな「道もどき」もあり、何度か迷う場面もあった。
林の中に入っても急な坂道と階段は続き、少し林が切れた辺りが終点であった。
湿原が延びているはずの南側の視界は悪く、雄大な釧路湿原を眺めることは出来なかった。

が、それでも眼下には湿地帯と池が広がり、その上を風が撫でると草が波打つように揺れる景色は良かった。
展望台からゆっくり降り始め、途中で見つけたキノコに目を奪われていると、なにやら草がガサガサと音を立てる。
最初は風かと思っていたのだが、まったく風は吹いていない。
蛇か何かかと身構えていたら、ひょっこりと拳2つぶんくらいのリスが顔を出した。
口元は膨らんでおり、餌を巣に持ち帰るのだろうか。
写真を撮る暇もなくすぐに草むらに消えてしまった。
そのほかにもこのあたりは多くのトンボが飛び交い、そのどれもが大きい。
自然を肌で感じられる場所であった。

道が舗装路に戻ると林道は終わる。
すぐに建物が現れ、保護区が終わったことがすぐにわかった。
湿原の淵を走る道路はやはり上下のうねりが大きい。
鶴居村からの道道に合流し、今度は南下を始める。
この道は釧路湿原の西側を走る道路であり、先程いた細岡展望台とは反対側に来たことになる。
この道の途中に釧路湿原の博物館がある。
以前にも来たことがあるのだが、以前より建物の周りが綺麗に整備されている気がする。
今日は時間が無いのでトイレだけ借りて通過する。
今回の旅で最後に向かったのはポスフールというショッピングセンターである。
実は親から生キャラメルの追加の連絡がきていたのだ。
釧路ではこのショッピングセンターに店があるらしい。
朝に寄れば通り道だったのだが、今は空港とは反対にだいぶ走ることになる。
時間はお昼だが、朝大量に食べたのでまだお腹がすいていない。
キャラメルだけを買って空港へ行くことにした。
ついに旅も終わりである。
空港までの途中で最後の給油をし、空港までの道を走る。
扱いにくかったこのレガシィともラストランである。
のんびりと焦らずに走り空港前のレンタカー営業所に到着した。
まとめた荷物を車から降ろし、営業所内で待つ。
点検してもらい、特に問題が無いことを確認して送迎用のワゴンに乗り込んだ。
最後に貰った精算伝票には今回の走行距離が2000kmを越えた事がはっきりと示されていた。

空港までは2分程度で到着した。
すぐにチェックインをして大きな荷物を預ける。
身軽になってお土産屋を巡る。
足りないお土産を適当に買い終えると、出発まで20分程度しかなくなっていた。
ここで昼食を取る予定だったのだが、諦めるしかない。
セキュリティゲートを抜け、ロビー内の売店で空弁を買って機内へ乗り込んだ。
機内は結構混雑しており満席に近い。
準備もすっかり終えて定刻でプッシュバック。
北向きに離陸し、ついに長く滞在した北海道をあとにした。
上空にあがると風も安定しベルトサインはすんなりと消えた。
消えたと同時にすぐにお弁当を開く。
さすがにお腹が減った。
さぁ食べるぞ、と箸をつけたところでアテンダントさんが声をかけてきた。
どうやら食べ始めたのを見てお茶を持ってきてくれるらしい。

確かにお茶が欲しいところだった。
以前にも福岡行きの始発便で出発前に肉まんを頬張っていると、同じようにお茶を出してくれたことがあった。
こういった心遣いは嬉しい。
快適な空の旅はなんの問題もなく関東上空まで続いた。
羽田着陸前にしばらく旋回待機をしたものの10分程度の遅れでターミナルに到着した。
ボーディングブリッジをの風は温かく、ここ数日の気温とは明らかに違っていた。
羽田からは京急、JRと乗り継いで自宅に向かう。
北海道装備のままだった私はすっかり汗をかいていた。
まだまだ東京は秋の様子は遠いようである。
次の旅はしばらく無いだろう。
自宅に帰ると、疲れが一気に出てくる。
今回の旅の思い出を抱いたまま眠りについた。